MMDメモとか

MMDモデルのモデリング作業メモとかだけまとめた物です。基本放置。

MMDモデルの剛体設定について(初心者向け)

自分なりにjoint、ボーンの設定などを書いてきたので、せめて剛体も書いたほうがいいかな、と思うのですが、どう書けばいいか正直分からないんですよ。どういったことに困っているか、という声を見かけないので。

なのでこういう所にだけは、という部分だけ書こうと思います。

※あくまでも、自分がモデルを作ったり動画を作った経験をもとにした話です。

他の方の考えの違う場合もあると思いますので、そこはご了承ください。

 

・服の摩擦力は全て0にする

自分が動画を作る時にどういう事に一番悩まされたかというのを考えると、スカートやコート同士の絡まりなんですよね。

摩擦力は剛体が接触した時に相手の剛体から落っこちないようにする力みたいなものです。

体に当たったら貫通を防いでくれるのか、と思いきやそうでもなくて、一度絡まると、解けなくなることが多いです。(スカートの前部分が足を突き抜けて外れないのは除く)

そしてスカートなど物理グループを一緒にしているのに、絡まったら解けないんですよね…。これはjointの設定の問題もあるのですが、最初に絡まったら解けずにずっと最後まで絡まっていることもあります。

なので摩擦を0にしておくと、これはかなり軽減されるので、特に理由がない時は衣装の摩擦は0にして、接触判定が発生してほしいところだけ反発力を0.1とか低めの数字で入れることをお勧めします。

ただ、モデルのパーツなどによっては摩擦があった方がいいパーツもあると思いますので、そこはセットアップしながらご判断ください。

 

・剛体の接触判定について

剛体が他の剛体とぶつかると判定が発生すると考えている方もいると思いますが、実際はある程度の接触がないと判定されないです。

自分は剛体が1/3から半分が重なると接触判定が発生する。と思って剛体の大きさなどを設定しています。

鬼物理といわれた狩衣衣装ですが、あれはかなり厚めで密度の高い剛体に設定しています。

もう少し少ない量で調整をできる方もいると思いますが、自分的にはこれくらいがちょうどいいかなと思っています。

 

髪もモデルによっては剛体はかなり大きめにしてます。

さらさらした柔らかい動きの髪にするには、それなりのボーン数が必要になるんですが、柔らかくなると髪は剛体の重さでぺしゃっと下に落ちます。ショートヘアのキャラはまだいいのですが、ロングヘアの髪だと髪の形が維持できなくなってしまうので、その場合は重力バランサー剛体というPmxEditorのプラグインが配布されていますので、それを使うと髪の形の維持ができます。

 

あと、髪や袖などが貫通しやすい身体の部位は剛体を二重に配置しています。体型に合わせた剛体と、少し小さめの剛体です。二重に配置することで貫通がそれなりに減ります。

着物の袖のように長くて、スカートも長くて剛体がたくさん仕込まれている場合は、スカートの内側にも補助剛体を設置し、袖など貫通を防ぐ場合もあります。

ただ、あまりにも接触剛体が多い場合は物理が荒ぶるので、あえて貫通しても問題のない剛体は貫通させるのも手です。

剛体の接触判定は自分のモデルだけでなく、一緒に躍らせるモデルとの間にも発生します。あまりにも多くの剛体があると、他のモデルの物理も荒れさせる原因となりますので、ご注意ください。

あとは剛体の非接触グループの設定を確認して、どの剛体グループで接触判定が発生させるか、発生させないかを考えて非接触グループの欄のチェックを入れてください。

自分もたまに設定を忘れてて、同じ髪の房やスカートで接触判定が発生し続けて物理が荒ぶる原因を調べてることがあります。。。

 

・ロングスカートの剛体の移動減退と回転減退について

この二つの項目は自分が説明するには難しいのですが、簡単に説明すると、

剛体の質量1に対して移動減退と回転減退の数値が大きいと、剛体がゆっくりと動き、数値が小さいと動きが早くなります。

分かりやすいのが髪の設定でしょうか。数値を0.99とかで設定するとふわふわしたう動きの髪になります。

逆に0.8とかにするとふわふわはなくなります。

 

一般的な髪はいいのですが、けっこう手間なのが床に着きそうな長さのロングスカートや、ロングヘアです。

ボーンの段数が少ない場合はいいのですが、綺麗な動きや貫通を減らそうと考えると、ボーンの段数が増えると思います。

剛体が多い状態で上記の2種の数値を0.99とかにすると、剛体の動きがモーションの速さについていきません。そこで剛体の重さを軽くしたら着いていくだろう。と考えて質量を軽くすると思うのですが、そうすると剛体の動きが鈍くなります。

鈍くなった分、モーションの動きにスカートの裾が引きずられてしまう状態になります。(バネの数値を大きくして動作をフォローする設定もあります)

質量1に対して、質量が軽くなると動きが速くなると考えますが、0.01でも量が多いと逆なんです。動きは鈍くなるんです。

この部分の確認のために比較動画を作ったので、興味のある方は動画をご覧になってください。極端な例として剛体の質量設定をしています。

 

そんなわけで、剛体を軽くして動きが鈍くなった分、移動減退と回転減退の数値を小さくする必要があります。

質量を一番上の段から下に下がるにつれて軽くしていきます。

曲面化プラグインのデフォルト設定だと回転減退と移動減退は0.9に設定されていますので、この数値をベースにする感じで0.8~0.9あたりでしょうか。剛体の列数や段数などモデルによって差がありますが、小さ目の数値から0.9辺りを目安に調整されると良いかと思います。軽めだと部分によっては0.75とかで設定しています。(裾をさらっとしたい場合など)

これはいま作っているモデルの裾の剛体設定です。
どんな数値が良いかはモデルによって違いますが、モデルを躍らせて動きを見ながら少しずつ数値を変えて調整してください。

ざっくりと設定して上手くこともありますが、ジョイントと同様にけっこう地道な作業になります。

 

・着物の袖の剛体設定について

前回の記事に書くか迷ったのですが、とりあえずこちらに少しだけ。

袖の剛体の質量が1とかでそれなりに重みがある場合は良いのですが、軽くした場合、

腕を上に上げた時に顔に引っかかってしまう事がたまにあります。

なので、袖の剛体の下から2-3段目あたりの質量を少し重めにするとふやふやした動きにならずに、下に落ちるようになります。

重みがある段を作ることで反動が生まれて袖の翻り方とかに少し変化が出ます。

浴衣とかは軽いけど、振袖や狩衣などの着物そのものに厚みや重みがある場合は特にこの設定をすると見栄えが変わってきます。

どんな動きが好みなのか、モデラ―さんの好みがそのまま反映される個所だと思います。ただ、本当にモデラ―さんの好みなので、別に気にしなくてもいいと思います。

 

 

とりあえず、気になったことを一通り書きました。

自分が普段している設定をベースに書いていますが、人によって全く違う設定方法をしている場合もありますので、自分でわかりやすく設定のしやすい方法を選んでください。